明治36年(1903)6月1日、当時の「東京市」が、現在の東京都千代田区日比谷に日本初の西洋式公園「日比谷公園」を開園しました。銀座で食堂を経営していた「小坂梅吉」は、園内に設ける「洋風食堂」の権利を落札し、洋食店「日比谷松本楼」を公園の開園と同時にオープンしました。都心一等地の緑豊かな環境の一角に、おしゃれな店として評判を呼び、ハイカラ好きな文化人のあいだでは「松本楼でカレーを食べてコーヒーを飲む」ことが大流行したそうです。一方、日比谷公園には公会堂や広場もあってたびたび政治活動の舞台となり、「松本楼」もその集会場として利用されたのです。1971年11月19日、「沖縄返還協定反対デモ」が公園内で暴徒化し、「中核派」の投げた火炎瓶が「松本楼」を直撃して全焼の憂き目に遭いました。歴史あるレストランが焼失したこの知らせに全国から再建の嘆願が集まり、2年後の1973年9月26日に、4階建ての新装「日比谷松本楼」が再オープンしました。「松本楼」はこれに感謝の意を込めて「10円カレー」チャリティを始めました。当時880円の「ハイカラビーフカレー」が、毎年9月25日に限り、先着1500名に「10円」で提供されたのです。このチャリティには、これまでに延べ11万人以上が参加し、売上3,000万円超を全額「交通遺児育英会」や「地震被災地」などに寄付しています。2023年からは、同じく毎年9月25日に先着500名に限り、通常1,350円の「ハイカラビーフカレー」を、創業経過年に合わせた金額(今年は創業123年なので123円)で振る舞われるそうですよ。(2026.9/15) |