三月には「桃の節句・ひな祭り」がありますよね。もともとは、平安時代に流行した「ひいな遊び(ひいな=人形)」と、厄払いのために身代わりとして川に流した「紙人形(流し雛)」が由来で、女の子の健やかな成長と幸せを願って「ひな人形」を飾る神事です。その「ひな壇」には、内裏(だいり)びな一対、三人官女、五人囃子などを飾りますが、その中に「神饌(しんせん=神の食事)」と言って神へのお供えの「甘酒」や「ひし餅」も飾ります。それは「三方(さんぼう)」と言うヒノキで出来た白木の台に載せて飾ります。「三方」は、方形の盆(折敷、おしき)と台(筒胴)で構成され、「筒胴」の手前側と左右の三方向に「刳形(くりがた)」と呼ばれる「宝珠(ほうじゅ)」などの形の穴が空いているのが特徴で、それで「三方」と言うのです。ひな飾り以外にも、正月の「鏡モチ」やお月見の「ダンゴ」を載せたり、各種神事に用います。「三方」は仏教でも用い、「仏・法・僧」の「三宝」にかけて「さんぽう」と読むことが多いです。四面全部に穴が空いた「四方(しほう)」と言うものもあって、これは「切腹」の際に「切腹刀」を載せる台に用います。「三方」は、主に「奈良」や「伊勢」で作られ、それぞれ「吉野ヒノキ」、「木曽ヒノキ」が材料となります。やはり、古代から神社の多い地方が産地となっていますね。(2026.3/1) |